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バックパッカーの旅Ⅰ(東京~アテネ)

バックパッカーの旅Ⅰ(東京~アテネ)

純春代理からの手紙

                  ≪十月二十一日≫   ―爾―

この旅に参加する為、最初の就職先を辞めた。

なんで・・・・お金が思うように貯まらないからだ。

150万円は貯めて置きたい。

旅の費用100万円に下宿の引越しなどで50万円。

これだけの軍資金を、手取りの月給77000円ではどうにもならないからだ。

その為にお金を稼ぎやすい営業の仕事にチャレンジしようと思い実行した。

その会社に二年はお世話になろうと頑張った結果、一年で達成。

その時の元同僚から手紙が届いた。


                    *

      前略

       そちらの方では、まだ無事生きていたようですね。

      もっとも、高山病や南京虫に、手ひどくやられたそうですが、

      もともと”よっちゃん”はおかしかったから、元通りになって

      かえって、南京虫にやられて免疫が出来て、自信がついた

      のではないでしょうか?

      毎日毎日、平々凡々に暮らしている私には、想像もつきません 
      が、だいぶ四苦八苦したようですね。

      わずかこんな小さな紙切れに、何気なく書かれた文字ですが、

      なんとなく大変だった事がうかがわれます。頑張れ!

            (中略)

        そういうわけで、彼共々元気で頑張っています。

      最近彼は、私の栄養料理が効果を現したのか、「太った」と言

      って気にしています。

      そういえば、少しお腹が出てきたようです。

      私のお腹が出るのは分かるのですが、彼のお腹には不思議さを

      感じています。

        先日、会社の人が泊まっていきました。

      よく彼は友達を家へ引っ張ってきます。

      国長さんが、連絡は出来ないがよろしくとのことです。

      みんなこの話(ヒッチハイク)をすると、感心していました。

        ある人は「若者らしいー!」とか、「勇気ある人ね!私そ

      ういう人に憧れちゃう!」(私の友人)とか。

      私は、いろんな人に話して聞かせるのですが、結局いつも返っ

      てくる言葉は、「やってみたいけど、いざ実行するとなる

      と??」という、理想と現実とのギャップでしょうか。 

      理想と現実を一致させることの困難さでしょうか。

      ただ私は常に、若者でありたいと思っています。

        主婦になった今でも、若さの取り柄は無我夢中で理想を追

      いかけることではないか・・・・・などと、思ったりしている

      毎日です。

      あまり暇だと碌な事しか考えませんね。

      つい変な方向へ行ってしまいました?

        とにかく、私の言いたいことは、いつもいつも”よっちゃ

      ん”のハガキを見る度に、何か平凡な生活の中に燃えるものを

      感じています。

      ワッカルカナー!!

        では、また楽しい便りを待っています。

      お身体に注意して、またすごい旅をして下さい。

                 10/18

                          純春代理より


                 *

  彼と彼女は、東京の立川事務所の仲間たちだ。

 手紙を書いてくれた奥さんは、立川営業所で課長代理になった時の部下で

 もある。たった一年間の仲間ではあったが、すばらしい仲間に出会えたと

 思っている。


  私が希望していた150万円程の軍資金を、たった一年間で捻出させてく

 れ、課長代理にまでしてくれた部長への恩も忘れ、我儘を聞き入れてくれ

 た。

 この大会に参加するために退社するときも、盛大な送別会を開いてくれ

 て、気持ちよく送り出してくれた仲間たちだ。

 彼らこそ、一生忘れられない仲間である事に・・・・間違いない!

 本当にありがとう・・・・と言いたい。

      


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